Earth: Materials for Design
Earth: Materials for Design
地球マテリアル会議
私たちの展示は、建築廃材から作った紙です。奇抜な形や空間ではありません。紙そのものが展示です。
「木廃材→再生木材」「古紙→再生紙」はリサイクルの一つの形です。 しかしこれは、次の再生が困難なものを生み出したり、質が落ちたり、必ずしも利点ばかりではありません。 製紙業界では近年、再生紙偽装の問題まで起こりました。 ここには、壊れたものは元には戻らないという、マテリアルフローの根本的な原理が潜んでいます。
私たちの提案は、リサイクル品であるにも関わらず原料は木です。再生品でありながら、原理的には新品と全く同じ紙を作ることが出来ます。 物質としては解体しながら、商品としては再生する、きわめて合理的なフローです。 現在この流れは、ごく少量でしか行われておらず、建築業界と製紙業界に積極的な活動は生まれていません。 そもそも建築廃材は大半がサーマルリサイクルに送られ、マテリアルとして有効な利用そのものが、減少傾向にあります。
私たちは展示のために、実際に廃材を集め、パルプにし、紙を作ってもらいました。 この展示は、「木の廃材→紙」というマテリアルフローのデザインであり、またその問題提起です。